改めて思いました・・・・患者様こそ我が師

お尻中央やや左側しかも奥の方の痛みと、これも左ですねの外側の痛みでご来院されている患者様。60代、細身の女性です。

お尻中央の痛みは歩く時、左すね外側の痛みは、どちらかと言えばジッとしている時で、痛みだったりシビレだったり重だるさだったりという症状ですが、改めて患者様から教わることって多いなぁと思った出来事です。

3年くらい前から現れた症状で、整形外科では坐骨神経痛と言われたものの特に効果的な治療らしきものはなく、その後鍼灸の先生やカイロの院などに通われたそうですが、結果は芳しくなく、当院開院のチラシをご覧になられてのご来院でした。

カッコつけるようで恐縮ですが、初めてご来院された際に、

「(あぁ、この方の症状は〇〇と〇〇が原因だな)」

と自分の中では原因は容易に想像がつきましたので、それを踏まえ症状の原因をお話した上での術後に症状が大きく改善された(ただ、患者様にもお伝えしましたが、これは一時的な事です)ことで、私の施術方針をご理解いただけたので通っていただいているのですが、そんな中

「先生、気づいたんですけど、アレなんですよ。つま先開いてかかと体重みたいな歩き方すると、痛みはあんまり出ないんです

「(ん?かかと体重のつま先外ぉ・・・)」

おぉーーー!そうです。まさにそうです!!

「本当ですか?ありがとうございます。いやぁ、今のお話、教科書に載せたいくらいにいいお話ですよ」

患者様のお話で「ピン!」と来る方は、同業者の中でもごく一部ではないでしょうか?

「かかと体重だから重心を後ろに倒すことで骨盤が後傾したので神経の圧迫がとれたからでしょ?」

ノンノンノン。

骨盤がー!歪みがー!は口が裂けてもいいません。

「つま先開いて歩くことで、患者さん自身が自分に暗示をかけて精神的に楽になったんでしょ?」

精神的な部分を全否定するつもりはありませんが、もしそれが原因なら医学は必要ないのでは?医学、私たちのような柔道整復師という資格を持っているものであれば、せめて解剖学・運動学・生理学に基づく言語で患者様の症状を解明すべきではないですか?

巷にあふれる「骨盤のゆがみを矯正して云々」という言葉。

骨盤矯正を謳う接骨院・整骨院の先生、もう一度専門学校の時の教科書見て下さい。

骨盤という言葉はあっても「骨盤矯正」という言葉・項目ありますか?

もしかすると、背骨の歪みという言葉はあるでしょう。脊柱側彎症の方などはまさにそうです。

で、その歪みを「矯正」する方法・項目ありますか?

あなたが持つ柔道整復師国家資格に一ミリでも関係していますか?

(恥ずかしながら、自分もそのセミナーに大金払って参加したこともありますが)なんなら、昨今の業界でよく耳にする

量子力学で証明された〇〇施術法」

柔道整復師の国家試験に出てきましたか?あなたは、いや、あなたじゃなくてもいいです。その施術法を教わった先生は、量子力学を勉強されたことがあるんでしょうか?

自分も、もちろんしたことはありません。

ただ、量子力学って何だ?ということで、入門書的な本を買って読んだことがあります。

私が読んだ(というか、最後まで頑張って読んだ)のはコレです^^;

その結果得たのは

「は?導入部以外サッパリ分からん」

でした。というか

「今の人間の頭では、そういう理論があるという事実は理解出来ても、その力学がどういう理論で成立するのかはサッパリ分からん」

という事でした。

ものすごく、もんのすんごぉぉぉくザックリ言うなら、間違えてるかもしてません。間違えてるかもですが、

「UFOや幽霊がいる」と言ってる人がいることは理解しますが、じゃ「そのUFOやオバケや幽霊がいる証拠を、どういった形で証明出来るかは分からない」という話と同じ次元の話です。

自分の中では、ですけど。

信じる人にはその存在は疑う余地はないけど、そうじゃない人には・・・

その〇〇施術法がそうだと断言したいワケではありませんが、「量子力学がー!」というワードが出て来た時点で、自分の中ではUFOやオバケや幽霊と同じ話として受け止めます。

 

それこそ、何百年も前の人からすると、解剖学や生理学なんて理解出来なかったかも知れませんから、将来的には「量子力学で証明された〇〇施術法」も、一般常識や学問のレベルになっているのかも知れませんがね。

(すみません。この手の話になると熱くなっちゃって^^;)

改めまして。

お尻中央の痛みは歩く時、左すね外側の痛みは、どちらかと言えばジッとしている時で、痛みだったりシビレだったり重だるさだったりという症状ですが、

「つま先開いてかかと体重みたいな歩き方すると、痛みはあんまり出ないんです」

という患者様のお話を、解剖学・運動学・生理学に基づく言語で頭の中で構築出来ず、骨盤がー!量子力学がー!という術者に私はなりたくありません。

「そんなエラそうな事言うんなら、それを説明してみろよ!」

え?そんなの、ラーメン屋さんにスープの作り方聞くようなもんでしょ?

 

同じメカニズムで似たような症状の患者様は数多くおられます。そういう方に

「○○さん。試しにつま先開いて、かかと体重で歩いてみて頂けます?どうですか?」

という【技】を一つ教わることが出来ました。

 

「患者様こそ我が師」

改めて、そう思います。