「適度に運動しましょうね」の落とし穴と大谷君

病院の先生に限らず、ネットやなんなら知人に言われません?

「適度に運動した方がええで」と。

で、おそらくですが、100人中100人が口に出さずとも思うでしょうね。

「適度ってどのくらいやねん!」と。

当院でもこの言葉を使うことがあります。

痛みを恐れてジッとしているよりも、少しでも体(筋肉)を動かした方がいい影響がありますから。

ただ、その際はものすごく気をつけます。

「動かそうとして痛いと思うようなら、やめて下さいね。動かしても痛みがなければ、無理のない程度に動いてかまいませんから。ただ、腹八分目じゃないですけど、『もっと動けるのになぁ』くらいでブレーキをかけて下さいね」

例えば、歩くのがツラかった人には

「歩きだしたら痛むようならストップですよ。歩いても痛みが出なければ、無理がない程度に動いてもかまいませんから。ただ、『もうちょっと歩けそうだなぁ』くらいでブレーキかけて下さいね。こないだみたいに、『調子が良かったから30分歩けたんよ』はボクの中では〇〇さんとすると歩き過ぎだと思うんです。『調子が良かったから30分歩けたんよ』は言い換えたら、『30分で歩くのやめようと思ったんよ』じゃないですかね?てことは、ある意味〇〇さんの限界まで歩けてしまった。もっと言うなら、筋肉は限界まで頑張ったと思うんです。だから、その後痛みが戻ったんじゃないですか?『調子が良かった』状態がそこで終わってしまったってことだと思いますからね」

「適度」の説明にここまではかけます。

それこそ、今メジャーでバリバリやってる大谷君

2023年に二回目肘を痛めました。手術をしなければならないくらいの。

それこそ、生活のすべてを野球に捧げ、トレーニングもメンテナンスもしっかりし、周りにはアメリカの超一流のトレーナーやドクターがいたはずなのに、誰一人

「ショーヘイ・オオタニは、今日50球投げたら肘の靭帯を損傷するよ」

と予言出来ませんでした。誰一人です。

もちろん、メジャーで投げる大谷君に「適度」って言葉はなじみません。

なじみませんが、大谷君の周囲にいるのは野球選手の身体を診るプロ中のプロ集団。

その誰一人も、その日登板する大谷君のケガの予測が出来なかったんです。

 

翻って〇〇さんの場合。

もちろん、自分もプロの端くれですが、大谷君の回りにいる方々ほどの知識はない・・・気がします^^;

治療のために週二回来院いただいていて、約2時間ご様子を診させていただいているとしても、

24時間×7日=168時間

168-2=166時間をどんな過ごし方をされてるかは、お聞きする情報以外は知らないんです。

で、〇〇さんご本人。

24時間×7日=168時間のフルタイム、ご自身の身体にお付き合いされてますけど、身体やケガや痛みについての知識は・・・ね。

とすると、「適度」という言葉も上記のような

「動かそうとして痛いと思うようなら、やめて下さいね。動かしても痛みがなければ、無理のない程度に動いてかまいませんから。ただ、腹八分目じゃないですけど、『もっと動けるのになぁ』くらいでブレーキをかけて下さいね」

が限界なんです。だから毎回お聞きします。

施術をして、

その場の結果を踏まえ、

次回のご来院までの間にどのような変化があったのかなかったのか、

あったとしたらそれはどんな時か。

「先生と話しよると、刑事さんと話しよるみたいやねw」

さすがに、こんなことはありませんよ^^;

と笑われることがありますが、ボクも笑いながらですが、心の中では思ってます。

「でしょぉ」って。