


相変わらず「なんのこっちゃ?」なタイトルでゴメンナサイ^^;
もちろん、頑張って欲しいです。
アメリカで生まれた野球というスポーツの最高峰であるメジャーリーグの歴史を毎日毎日塗り替えているのが日本の青年だという痛快さもありますが、周りに何と言われようと自分が大好きな事を一心不乱に取り組むことの大切さを、観る人観る人に教えてくれている、まるで「生ける童話」みたいな青年なんですから・・・ただ、やはり心配です。
肘、またぶっ壊れるんじゃないか、と。しかも、前回の時より短い期間に。
二刀流が観られるのも、もしかしたらあとわずかな期間なのかも、という危惧をしています。
「野球、ろくに知らないのに、大谷のどこを見たらそう思うねん!」と思われるでしょうね。そう、野球は近所の草野球しかしたことがありません。ただ、あの剛速球もそうですが、あのグニャグニャ曲がる変化球を観るたびに、「ウワァっ!」「痛っ!」「ヤメテ!」って思ってるんです。
「心配すんなよ。そのために毎日トレーニングしてんだから。身体見ろよ。そんじょそこらのメジャーリーガーよりゴッツイじゃん」
いや、だからなんです。
めっちゃゴッツイでしょ?下手すりゃ、ポジションによってはアメフトの選手よりゴッツイ身体してるんじゃないかと思わせるゴッツさです。だから心配なんです。
そのポイントがでんでん太鼓です。
「は?また、わけのわからないことを。奇をてらってるだけちゃうん?」
と言われても仕方ありません。そこが、「筋肉変態」たる自分の特徴です。
時代は違いますが、大谷君を見るたびに思い出すのが江夏さんと江川さん。
お二人とも、昭和の日本球界を代表する大投手です。
晩年は衰えてらしたそうですが、江夏さんはプロ野球デビュー当時、江川さんは高校から大学時代。その剛速球たるや、ものすごいのなんの。
バッターのレベルが今と全然違いますから、大谷君と単純に比較は出来ませんが、古い動画で観ても「スゴイ!」と思わせてくれます。
自分の中で、そのお二人に共通するのは、「ドッシリしたお腹・・・いや、腰回り」と「決して太くない腕」。
改めて言うまでもなく、ボールを早く投げるポイントはいかに腕の振りを早くするかですが、その前提として、地面を蹴った力がいかに指先に効率よく伝えるかだと思います。
分解すると、ピッチャープレートを蹴ってホームベースに向けて足を踏み出す横の直線的な動きを、バッターに対して横向きだった骨盤をバッター方向に回転させることで起こる回旋動作を腕から指先に“しならせる”ように無駄なく伝えるのが投球動作だと考えています(野球経験者さんからすると、違うのかな?けど、大方違ってはないのでは?)
そこで、でんでん太鼓です。
棒の所を勢いよく回せば回すほど、太鼓はいい音を鳴らしますよね。
根元の棒は体幹、タコ糸は腕、玉はまさに球。
地面を蹴った力を骨盤(棒)を回転させ、その遠心力で腕(タコ糸)が勢いよく振られ、それが指先のボール(玉)に伝わる。
お二人に共通する、大きな骨盤(体幹)と決して太くない腕(タコ糸)は剛速球を投げるために生まれてきたような体形でいらしたようにすら思います。
江夏さん、江川さんの時代にトミージョン手術はなかったから、当然お二人が大谷君のような肘の手術はしていませんが、もしかしたら肘を痛められておられたのかも知れません。(江川さんが肩を痛めていたのは有名な話ですが)
ネット記事などによると、お二人ともその全盛期はストレートとカーブの二種類しか投げていなかったそうです。前述の通り、今のバッターとレベルが違いますから同じ比較は出来ませんが、それでもそれだけスゴイピッチャーだったということだと思います。
じゃ、なぜ肘の故障で悩まなかったのか?
その秘密が「決して太くない腕」、誤解を恐れず言い換えると「細い腕」だったと思うんです。もしあの時代に筋トレがあって、お二人がボディビルダーっみたいな腕をされていたらどうだったっでしょう。でんでん太鼓のタコ糸が太くて重かったら、です。
あのような遠心力は生まれなかったでしょう。
変な言い方ですが、むやみに筋トレをしなかった時代だからこそ生まれた剛速球だったと思います。
あと、肘の故障がなかった秘密が少ない球種ではないかと思うんです。
ボールを変化させるポイントって、ボールの縫い目を基準とした傾きや回転や角度の微妙な違いと、ボールが指先を離れる瞬間のちょっとした指の力の入れ具合・抜き具合だと聞きました。
https://www.tdk.com/ja/tech-mag/sportstech/001
スポーツ@TDKさんのHPです。ご参考になさって下さい。
ここで、「筋肉変態」の登場です。
ボールに限らず、モノを握るのは指・手のひらですが、指や手のひらを握る動作をする筋肉は腕にあります。というか、肘の内側上顆と呼ばれる場所から始まっています。
「ボールを投げる」という動作の最後の瞬間は、ボールの重さを支えながら反り返った指や手首を「グイっ!」と曲げる動作です。その動作の起点となるが、肘にある内側上顆という場所になります。
ためしに手のひらを自分のほうに向けた状態で手をギュッと握ってみましょう。腕の中で筋肉が動いていることが分かると思います。解剖学的な言い方をすると「浅指屈筋、深指屈筋、長掌筋、長母指屈筋(これは厳密には違います)が収縮することで手を握るという動作が起こる」と。
多彩な変化球を投げるということは、指先や手首などがものすごく微妙な動きをしたり、そのために筋肉が動員されることを意味します。「指先に負担がかかる」=「肘(内側上顆)により多くのストレスがかかる」ということになります。
また、その変化の度合いが大きければ大きいほど、「指先にさらに大きな負担がかかる」=「肘(内側上顆)により多くの大きなストレスがかかる」ということになります。
「指に大きな負担がかかる」
→「その負担に耐えるための筋力をつける(筋肉が発達しちゃう)」
→「筋肉を大きくする(大きくなっちゃう)」
→「腕(前腕)の筋肉が太くなる」
→「でんでん太鼓のタコ糸の玉側半分が太くなる」
→「その境目の部分にかかるストレスはさらに大きくなる」
「おいおい、心配しすぎだよ。だから、手術してしっかりリハビリしたんじゃないか。だから、大丈夫だよ」と言われるかも知れませんが、「筋肉変態」&「基本マイナス思考」な自分は心配なんです。
大谷君が肘の手術をしたのは
一回目 2018年 24歳(多分)
二回目 2023年 29歳
今年2025年は31歳になる年です。
大谷君に比べると自分は「屁」みたいなスポーツ選手でしたが、今思うと年齢はすごく大事です。もちろん、31歳はまだまだ現役バリバリでいける年齢だと思います。
ただ、どんな人間にも「老化」は訪れます。スポーツ選手だと「筋力」に顕著に現れますが、それよりも「柔軟性の低下」が大きな問題だと思います。特にケガをした場合。
それこそ、現役バリバリのメジャーリガ―・トップ中のトップアスリートの大谷君です。あらゆる意味で、身体を極限状態まで追い込んで練習し日々プレーしていることでしょう。
江夏さん、江川さんは2種類の球で勝負が出来ました。大谷君は果たして何種類の変化球を駆使しているのでしょうか。GoogleのAI先生によると、スライダー、フォーシーム、チェンジアップ、シンカー、カーブ、スプリット、カッターなどだそうです。
「おいおい、じゃぁ、そのくらい多くの変化球を自在に操るダルビッシュはどうなんだ?」という指摘もあるでしょう。
もちろん、どこかを痛めていると思いますし、それでも頑張っていると思います。
ただ、どうです?ダルビッシュも全身に比較して大きな骨盤と太くはなく長い腕をしてません?大谷君の腕の太さや肩幅と腰、ダルビッシュの腕の太さや肩幅と腰。ダルビッシュは江夏さん・江川さん体形に近いと思うんですよねぇ・・・
あくまで、個人の感想ですが。
さて、ここからちょっと難しいですよ。
解剖学上、骨や臓器以外の身体の部分を「軟部組織」と呼びます。文字通り、骨のように固くはない部分です。筋肉、腱、靭帯、脂肪、皮膚、血管、神経など、体の様々な組織が含まれますがこれらは、体を支えたり、動かしたりする役割を担っています。
大谷君の肘の部分でいうと、肘の内側上顆という所は骨ですが、そこに集まる浅指屈筋、深指屈筋、長掌筋は軟部組織です。それらの筋肉が骨にひっつく部分をそれぞれの「腱」と呼びますが、これもそう。また、肘が変な方向に曲がらないように骨どうしを繋いでいる靭帯も軟部組織です。
大谷君がボールを投げる時、それが直球であろうが変化球であろうが、上に挙げた軟部組織が引っ付いている骨の内側上顆には、かなり強烈なストレス(牽引力ともいいます)がかかります。
また、軟部組織についてもう少し深く言及すると、軟部組織にはコラーゲン線維と呼ばれる繊維質のものが多く含まれているのですが、それらは組織の強度や弾力性を維持する上で重要な役割を担っています。ただ、悔しいかな、コラーゲン繊維は年齢とともに減少します。女性の方なら敏感に感じられるお話ではないでしょうか?
けど、大谷君も例外ではありません。というか、太谷君の身体も、という意味で。
コラーゲン線維が豊富にある若い頃なら、筋肉や腱や靭帯に柔軟性があり、少々のストレスがかかっても(無理してトレーニングしても)その負荷も柔軟性が受け止めていたと思います。
しかし、24歳の時に「爆発」してしまいました。
それまで、小さな頃から高校、日本ハム、エンジェルスと頑張ってきて耐えて来た「軟部組織」が限界を迎えてしまった、ということです。筋肉なのか腱なのか、靭帯なのか骨の付着部なのかは分かりませんが、手術してリハビリをしました。
アメリカのトップスポーツですから、リハビリの環境もトップクラスのはずです。けど、大谷君の軟部組織がどこまでトップクラスなのかは分かりません。もしかすると、軟部組織は我々凡人と同じなのかも知れません。いや、サプリもじゅうぶん摂ってるでしょうね。ただ、トップアスリートに必要十分なほどのコラーゲン繊維が摂取できるものでしょうか・・・
昔は「25歳はお肌の曲がり角なの」などと言っていましたが、お肌いう軟部組織で起きていることが、身体の中で起きていないと思いますか?
残酷ですが、そういうことです。
「お肌の曲がり角」直前の24歳で一回目の手術。そして29歳で再び「爆発」し、今年31歳に。
手術するたびに手術痕が出来ます。手術痕は膝を擦りむいた時に出来る「かさぶたの跡」みたいなものですから、そこは他の皮膚のようには伸び縮みしません。おそらく、いくら最先端のリハビリ技術があるメジャーリーグでも、かさぶたの跡を柔らかくするのは・・・?
手術痕は増える、筋・腱・靭帯などの軟部組織の柔軟性は年齢とともに衰える、ファンは以前と同じかそれ以上の活躍を大谷君に望む、本人もそれ以上を目指して頑張ってトレーニングする。
けれど、日一日と年齢は加わる。年齢が加わる=加齢する。
これは、どんなキレイな女優さんでも、どんな金持でも訪れます。
年齢は加わるしかないんです。
「加齢」という言葉はあっても「減齢」という言葉はありません。
一回目の手術が2018年で24歳の時、二回目の手術が2023年で29歳の時。
その間、リハビリ期間も含めて約5年。
その間、我々は大谷君の二刀流を堪能できました。けど、それは24歳からの5年間。
今年31歳の大谷君はあと5年経つと36歳。
冒頭で、こう書きました。
肘、またぶっ壊れるんじゃないか、と。しかも、前回の時より短い期間に。
二刀流が観られるのも、もしかしたらあとわずかな期間なのかも、という危惧をしています。
常に全力で取り組む大谷君だからこそ、応援したいし、いつまでも頑張って欲しい気持ちに変わりはありませんが、未来永劫二刀流を堪能できるわけではないことを、我々ファン側は肝に銘じておく必要があると思います。
大リーグボール3号の飛雄馬の悲劇が大谷君に訪れない事を願います。