「腰痛の原因は椎間板が狭くなっているから」
「椎間板が狭くなっているからですね。じゃ、湿布出しておきますので、様子を見て下さい」
と、レントゲンを見ながら先生から言われた事ありません?
「なるほど」
と思われましたか?
こういうお話を聞くたび、ひねくれ者の自分は昔っからこう思ってました。
「この人が痛くない時のレントゲン撮ってたんかいw」と。
そもそも椎間板って何?ってところからお話をしますね。
Google先生のAIさんによると、こうです。
「椎間板とは、脊椎(背骨)を構成する椎骨(ついこつ)の間にあるクッションの役割を果たす組織です。椎骨と椎骨の間にはすべて椎間板が存在し、可動性にも寄与しています。
椎間板は繊維状のカプセル(繊維輪)が弾性のある髄核(ずいかく)を包み込む構造をしています。
椎間板は、加齢やストレス、繰り返しのストレスなどによって変形したり、髄核の水分が減少し弾力性が低下したりすることがあります。」
ということです。また、文章中に出て来る髄核については
「髄核の主成分はプロテオグリカンで、その構成成分としてのグリコサミノグリカンが含まれています。また、髄核は水分量が多く、約80%が水分でできています」
ということで、繊維輪というのは
「コラーゲンを多く含む繊維性軟骨性の層状組織で、椎間板の外層を形成」するものです。
で、お医者様からよく耳にする
「椎間板が狭くなっているから(痛い)」
ってセリフです。
これって、文字通りに理解するなら「椎間板が縮んで幅がせまくなっている」ってことでしょうか?
だから痛い、と。
話は大きく変わるようでいて変わらないのですが、皆さんどうでしょう?
若い頃に比べて背が縮んだりしていませんか?
自分の話で恐縮ですが、自分の最も背が高かった時は20代半ばだったように記憶していますが、183.5cmありました。で、59歳の今は?というと180.5㎝です。
もちろん、徐々に徐々にですけど、3.0cm縮んでいます。
これってどこが縮んだんでしょう?(頭髪?ほっとけTT)
「骨が全体的に」でしょうか?身長に関係する頭蓋骨から背骨、骨盤、大腿骨、下腿骨、足部の骨がまんべんなく・・・
まぁ、そうなのかも知れませんが、自分はこう思います。
もう一度この絵に登場してもらいます。
背骨って一本の棒じゃないんですよね。
頭蓋骨の下から骨盤の上まで24個の変な形をした缶詰がだるま落とし人形のようにつながっているんです。
で、その缶詰めと缶詰めの間に24個の椎間板というクッション材があるんです。で、その椎間板というクッション材の外周は線維輪で出来ていると。で、その線維輪はコラーゲンを多く含んでいると。
間違っているかも知れませんが、自分の線維輪のイメージはホームセンターに行くと必ず売っているこれ。
これがコラーゲンを多く含んでいるんです。で、コラーゲンて言葉を聞くとイメージするのがコレ。
お肌の層の絵です。お肌は表皮・真皮・皮下組織という三つの構造から出来ているんですが、真皮の部分に多く含まれているのがコラーゲンです。
お化粧品のCMで「これでもか!」ってくらい耳にしますよね。
若い頃はこう↓
で、年齢を重ねるとこう↓
でね、思うんです。
お肌で起きていることが、身体の中で起きてないワケないっしょ、と。
とすると、コラーゲンを多く含んでいる線維輪で囲まれている24個の椎間板も、みずみずしさ(弾力性)を無くしていってても不思議じゃない。
1個に付き1mm縮んだだけで2.4cm縮みますから、183.5cmだった身長が181.1cmになっていても全然おかしくないです。
なんなら、朝と夜とで身長が違うなんて経験したことありませんか?
朝起きた時というのは、それまでずっと寝ていて背骨に体重という圧がかかっていなかった状態。夜というのは、一日動き回って背骨に体重がかかった一番最後の時間帯。
たった一日の中でもそれだけ影響を受けるのが椎間板というクッション材です。
そこで、こんな写真を撮ってみました。
右は背骨の中で「腰椎」と呼ばれる腰の部分だけを取り出した模型です。
分かりにくいですが、上の方は特に骨的に異常がない模型で、下に行くほど変形が起きているという見本です。(今回のテーマでは、あまり関係ありません^^;)左側は、その腰椎の一部を大きくデフォルメしたような模型です。
で、左の模型を上から押してみました。
椎間板がへしゃげて、「椎間板が」というか「椎体と椎体の間が」狭くなっていませんか?
ものすごく厳密に言うなら「椎間板が」ではなく「椎間が」狭くなっています。
写真は上から押して圧をかけていますが、日中はご自身の体重が圧をかけていますよね。
とすると、椎間板が狭くなっているから痛いというなら、世界中の誰もが寝ている時以外は椎間板が寝ている時より狭くなっているはずです。なのに、全然痛みが無い人もいます。
「じゃ、俺の(私の)腰が痛むのは椎間板が狭くなっているからじゃないじゃないの!騙しやがって!!!」
とお怒りになるのはちょっと早いです。
レントゲンやMRIなどで体を撮影する時ってどうしてます。
こうじゃないですか?
寝っ転がってるでしょ?胸のレントゲンだと立ったままでもやってるでしょうけど。
「そ、そうか。じゃ、やっぱり椎間板が狭くなっているからなのか・・・・」
と納得されるかも知れませんが、これもまたちょっと早いと思うんです。
(ここが“ひねくれ者”のひねくれ者たるゆえんなんです)
この写真、どうですか?
分かりにくいとは思いますが、さっきの写真は腰椎を横から見た所。これは、前から見た所です。どちらも上から圧をかけていますが、二枚目の写真ではやや左側に圧をかけています。ですので、椎間板も左側へのはみ出し部分が大きく、その分左の椎間が狭くなっています。(ちなみに、このはみ出している事を「ヘルニア」といいます)
お医者様も言いませんでしょうか?
「左側が狭くなっていますねぇ」と。
けど、レントゲンやMRIを撮っている時って誰かが押してますか?押してませんよね?
じゃぁ、なんで?
というと、椎間が狭くなる(=椎間を狭くする)原因が他にある、ということなんです。
そう、筋肉です。
ものすごくザックリ言うなら、筋肉の仕事は「骨と骨を繋いで縮むことで関節を動かす」ことです。言い換えるなら「骨と骨の間を縮める」ことです。
とすると、腰椎にひっついている(支えている)筋肉が縮んでいたなら?
そう、椎骨と椎骨を繋ぐ筋肉が縮んで椎間が狭く写りますし、そこで椎間板がはみ出ます(ヘルニアを起こす)。
ただ、ここで自分が疑問に思うのは、そこで起きている
「ヘルニア」って「椎間板の何(どこ)のこと?」なんです。
圧迫された線維輪がはみ出ているのか、線維輪で覆われた中にある髄核なのか?なんです。
というのも、髄核というのはGoogleのAIさんによると
「髄核は水分量が多く、約80%が水分でできています」
とのこと。要は髄核の大半は液体。ものの本によると「パンナコッタみたいな状態」というものです。
自分は、最も背が高い時に比べて3.0cm背が縮みました。お肌も20代半ばを思うと見る影もありません。
自分に限らず、世界中の誰しも椎間板をグルリと囲う線維輪で同じ事が起きているはずです。
もう一度、この写真です。
綾巻ロープの隙間。若い頃はビッチリ詰まっていたでしょうけど年齢を重ねると・・・隙間が広がったり裂けやすくなったりしないでしょうか?(例えば、赤い矢印のところのように)
その成分の大半が水分のパンナコッタがそこから染み出てきたりしないでしょうか?
それこそ、レントゲンやMRIを撮る時って仰向けに寝ます。水分は下に染み出ませんか?
お医者様や医療関係者の皆さんにお聞きしたいのですが、お腹側に髄核がしみ出した画像って観たことありますか?
ヘルニアの正体が髄核だったとして、はみ出した(いや、染み出た)水が神経を圧迫することがあるんでしょうか?
自分にはイマイチ、というか全く納得感が無いんです。
ただ、自分が納得いっていないだけで、詳しい人からすると
「そんな事も分からずやってんのか!」
と言われるかも知れませんね。
そうです。分からないものは分からないんです。けど、解剖学・生理学・運動学的に「こうも考えられるんじゃない?ていうか、そう考えた方がスッキリしない?」と思う自由も発表する自由もありますでしょ?
まとめます。
自分にはシックリ来ない説明ですが「椎間板が狭くなっているから痛い」という事もあるでしょう。ただ、
「レントゲンやMRIで椎間が狭く写るくらい、筋肉が縮んでいる(固くなっている)」んじゃないですか?
だって、固くなった筋肉って何が起こりますか?肩こりってどんな気持ちがしますか?なんなら、腰は肩の何倍くらい負荷がかかる場所ですか?その状態で自由に動けますか?
いやいや。それ以前にです。
例えば、椎間板が狭くなっているから痛いとするなら、痛みがある場所は狭くなっている椎間板のあたりにピンポイントで集中しませんか?
けど、多くの腰痛の方ってどこが痛みますか?
「この辺が・・・」じゃありませんか?そこ、何があります?
で、どこぞのお若いお嬢さんYouTuberさんを気取るわけじゃありませんが、まとめると
「て、ことぉ」です。