もう30年以上も前になるでしょうか?「ガキの使いやあらへんで」の名物フリートークの一つに、こういうのがありました。
https://www.youtube.com/watch?v=1vBX1g8nCps
松ちゃん「(視聴者からのハガキ)ケンカをする時に関節を鳴らすヤツがいますが、あれはなんのためにするのですか」
浜ちゃん「こうするやつ(かいな・・・?)」
松ちゃん「犬笛ってあるでしょ、犬笛」
浜ちゃん「ありますけど」
松ちゃん「犬にしか聞こえない」
浜ちゃん「はいはいはいはいはい」
松ちゃん「あれと同じことなんでしょうな」
観客の笑い・・・
浜ちゃん「(声を荒げて)だからこの、ボキボキってなぁ何や」
松ちゃん「(さらに荒げて)このポキポキでぇ」
浜ちゃん「フン」
松ちゃん「エキサイティングを呼んどるわけですわ」
観客の笑い・・・
浜ちゃん「はぁ(「コイツ、ナニ言うてんねん」顔で)」
松ちゃん「エキサイティングは、鳩にエサをやったりしとるわ」
(困惑する浜ちゃん)観客、爆笑
松ちゃん「聞けや!俺の話を。ちゃんと分かるように言うたるから」
この後、松本ワールドが展開していきます。
自分もついついヤッちゃいます、指ポキポキを。
いつの頃からっでしょうか?クセですね。気が付いたらヤッてる感じ。
ただ、子供の頃は出来ませんでした。近所の20歳過ぎの兄ちゃんが鳴らしているのを小学生の自分は不思議に思ってた記憶がありますから。
Google-AIさんに聞いてみました。
「指を ポキポキ 鳴らす人 心理」
すると
「指をポキポキ鳴らす行為は、心理的な満足感やリラックス効果、関節の違和感や緊張感の解消などが原因と考えられます。また、関節を鳴らす音を聞くことで快感を得る人もいます。この行為自体は生理的なもので、基本的には異常を示すものではありません」
とのこと。
確かに。「快感」とまでは言いませんが、鳴らすとちょっと「ホッとする感」や「こわばりが抜ける感」があるような気がします。
じゃ、あの「ポキポキ」って音の正体は何というと
Google-AI先生曰く
「関節液中の気泡が弾ける音です。関節を動かすと、関節包内の圧力が変化し、滑液中のガスが気泡となり、それが弾けることで音がなります」
とのこと。続いて
・関節液と気泡
関節には滑液という潤滑油のような液体があり、その中に二酸化炭素や窒素などのガスが含まれています
ふむふむ。で、
・圧力変化
関節を曲げたり伸ばしたりすると、関節内の圧力が変化し、滑液中のガスが気泡となって発生します
ほほぉ。それから、それから?
・気泡の弾ける音
この気泡が、関節を動かすことで、弾けて潰れる際に「ポキッ」という音を発生させます
関節の中で出来たシャボン玉が弾ける感じなのかな?で、
・なぜスッキリする?
関節を鳴らすと、一時的に可動域が広がったり、筋肉が緩んだりすることで、スッキリ感を覚えることがあります
ですって。Google先生って、何でも知ってるなぁ。
けど、ひねくれ者の自分なんかは、こう思っちゃうんです。
とすると何かい?「ケンカの前の指ポキポキ」は「その場がエキサイティングになる」というより、自分が「スッキリ」したり「リラックス」するためのもの?
真逆ちゃうん?と。
ね、ひねくれてるでしょ?だもんで、自分なりに考えを整理してみようと思います。
完全に同意しているわけではないのですが、「圧力変化」説や「気泡の弾ける音」説は納得したとしましょう。気になるのは「なぜスッキリする?」説です。Google先生によると
「関節を鳴らすと、一時的に可動域が広がったり、筋肉が緩んだりすることで、スッキリ感を覚える」からだとのこと。
これが逆じゃない?と思うんです。
というのも、
指を鳴らしたくなる時は「可動域が狭まっている」と感じた時や、
「筋肉がこわばっているなぁ」と感じた時じゃないかしら?
ということです。
言い換えると、「しばらく動かしてなかった時」です。
「これから動かすぞぉ、と思っている時」とも言えるのではないでしょうか?
松ちゃんの言う「エキサイティング」な状況が今まさにこれから起ころうとするからこそ、「よっしゃ!いっちょヤッたるか」という準備体操的に、しばらく動かしてなくて「可動域が狭まり」「こわばった筋肉を緩め」ようと動かしたことで、
結果的に「関節の中に出来た気泡が弾けてポキポキッと音が鳴る」
ということではないかと思うんです。
「ケンカ」に限らず、掃除や洗濯、仕事など、「さぁ、これからやるぞ!」という時に「ポキポキと音がなるとテンションが上がる」という経験が積み重なったことで、これまた結果的に「準備体操として指を動かした結果なるポキポキ音」が、「ポキポキ音が鳴った事を確認することでやる気になる」みたいな、原因と結果が逆になっているんじゃないかと思うんです。いかがですか?
それこそ、準備体操すると体がポキポキ鳴りませんか?
Google先生は
「なぜスッキリする?」という問いに、「関節を鳴らすと、一時的に可動域が広がったり、筋肉が緩んだりすることで、スッキリ感を覚える」と答えていますが、
Ryoutaku先生は
「しばらく動かさなかったことで筋肉がこわばり、そのことで狭まった関節可動域が、指の動きに関する筋肉を動かすことで筋肉の緊張が緩和し、その影響で可動域が広がるためスッキリ感を覚える」と考えます。
なんなら、Google先生は断定してないんですよね。文面の最後を「ことがあります」で締めていますから。
で、続いて気になるのが、施術業界でよく行われている「腰ポキポキ」や「首ポキポキ」や「背中ポキポキ」です。
背骨は一本の棒ではなく、変な形をした缶詰が椎間板というクッション材を挟みながら連なっている棒状のものです。それぞれの積み木の間にクッション材があるだるま落とし人形という感じです。
関節というと、椎間板をイメージされる方が多いかと思いますが、実は複雑で、それぞれの缶詰に上の缶詰と連結部分や下の缶詰との連結部分の役目をする場所があり、そこを関節と言います。
で、もちろんその中にはごくわずかですが関節液(滑液)があります。
あるということは、指が動くことで起こる「ポキポキ音」がそれぞれの関節で起きても不思議ではありません。
施術業界でよく行われるのは首や腰を「ひねる」ヤツです。
こんなヤツや
こんなのですね。
背中(肋骨の辺り)をひねる術者はあまり見ませんね。膝を当てて引っ張るヤツが多いかな?

さて、「ひねる」です。動きで言うと専門用語では「回旋」と言います。
背骨の回旋角度は約90度です。
試しに、イスに姿勢を正して座って見ましょうか。
で、首だけひねってみましょう。どうです?真横の半分くらいまで行きませんか?それじゃ、身体をひねってみましょう。肘を後ろに引っ張るように。そうすると、どうですか?ほぼ真横に向けません?で、最後にもうひと踏ん張り。お腹に力を入れるようなイメージで。そうすると、何とかかんとか真横に近づいたのでは?
これを分析すると、背骨の内
首(頸椎と呼ばれる上から7個目までの缶詰)部分の回旋は約50度
胸(胸椎と呼ばれる上から8番目から19番目までの缶詰)部分の回旋は約35度
腰(腰椎と呼ばれる上から20番目から24番目までの缶詰)部分の回旋は約5度
首だけだと真横の半分(約50度)、背中もひねるとほぼ真横(約85度)、最後のひと踏ん張りで真横(約90度)ということです。
首のひねったポキポキ音は分かるとして、腰のポキポキ音ってどこが鳴ってるでしょうか。
ほぼ動かないのに。
「骨盤が鳴ってるんじゃないの?」ですか?
ですかねぇ・・・
骨盤の関節っていうと、仙腸関節と恥骨合なんですよね。確かに、骨盤矯正!ってやってるの見ると、仙腸関節のあたりに何か力を加えている感じがありますよねぇ。
けど・・・、じゃ、これはまた次回にということで。