自転車と内転筋

松山移転後最初の院長日記に相応しい(?)患者様が来られました。

心の中で叫んじゃいました。

「こういう方、大好きっ!」と。

 

50代前半の男性で、背もすらっと高く、一目見て「何か運動されてるな」と思わせるようなイチロータイプの体形の方で、ここ2年ほどは自転車が趣味でらっしゃるそうです。

お聞きすると、平日でも20~30kmは走っていて、休日には100~120kmになることもある、と。ただ、お仕事柄座っていることが多いそうなのですが、去年あたりから座っていると左脚太もも外側にシビレや痛みが起きるようになったそうです。

で、整体院さんや整骨院さんに通われたのですが、お仕事中はやはり同じような症状が起きてしまわれると。

「このまま放っておくと、どんどん悪化してしまうのかな?」と心配になられて、当院にお声をかけて下さいました。

「〇〇では『骨盤が歪んでいることでバランスが崩れて、左脚にシビレが起きている』って言われて、自分も『そうなのかな?』と思ってるんです。というのも、ストレッチとか結構するんですが、左太ももの内側のツッパリ感がズーっととれないんですよね・・・」

キタ、北、来た、キターーーー!

骨盤が歪んでる???どこが、どう歪んでる?

ていうか、骨盤という大きな骨組みが歪むって、どういうことよ。

分かった。骨盤が、骨が歪むとしようじゃないか。

じゃ、腕の骨が歪むのか?あぁっ!!!

よっしゃ、分かった。落ち着け(俺^^;)

アンタの言う通り、歪んでるとしよ。じゃ、その歪みが何故この方の症状を起こしてるか説明してみろ。

え?もちろん、これも心の中です。患者様には言いませんよ。

 

「そうですね。けど、そういうお考えで〇〇さんは施術されていたのに、一向に改善してないってことは、〇〇さんでは見落としている部分があるのかも知れませんね(ていうか、何も見とらんがなw)。先ずは、一度まっさらな状態で診させて下さい。じゃ、ベッドに移動していただいて・・・」

 

ここから、ワタシなりの検査を行います。

どうするのか、って?もちのろん、秘密です。

ラーメン屋さんに、「そのスープ、どうやって作るんですか?」って聞くみたいなもんですよ。

痛みやシビレが起きている所は、いわゆる腸脛靭帯から太もも外側にかけて。裏側はありません。で、ツッパリ感があるのも左の太もも内側

趣味は自転車。しかも、ほぼ毎日20~30km。休日には100km以上も。で、さらにお話をお聞きしていくと、高校から大学・社会人と、お若い頃は結構ハードにバドミントンをされていたそうです。引退されてからはお仕事中心の生活でらした所に、50代を迎えて改めて運動をと選ばれたのが自転車だったとのこと。

そういうお話と検査の結果を踏まえると、今のシビレや痛みを起している原因と、太もも内側(内転筋群)のツッパリ感がなかなか改善しない原因とは共通することが分かりました。「分かりました」というか、自分の中ではそういう結論になりました。

骨盤???

あえて骨盤に着目するなら、仰向け寝になった時に左の上前腸骨棘が右のそれよりは前方に出ています。左右で比べるなら、「横から骨盤を見た時に、骨盤という骨組みがねじれてる」とは言えるかもしれません。(自分は口が裂けてもいいたくありませんが)

ただ、ワタシはそれが原因ではなく、それは、症状の原因となっているモノが起した一つの結果でしかないと考えます。

赤の矢印で示した出っ張りが「上前腸骨棘」という場所です

仲が悪い親子がいたとしましょ。毎晩毎晩、家からは怒鳴り声。

放っておいたら事件が起きるんじゃないかと思うくらいの。

近所の人たちが見るに見かねて仲裁に入りますが、

「ま、とにかく、落ち着いて。いったん握手でもせんかいな」

と握手をしたとして、それで仲なおりできます?

「骨盤が歪んで症状が起きているから、その歪みをなおせば症状は治まります」

というのは、自分の中では同じくらい愚かな話なんです。

 

赤色のリトマス試験紙が青に変わったらその液体はアルカリ性です。

「そんなのイヤだーー!」と青に変わった赤色リトマス試験紙を赤い絵の具で塗ったって、その液体は酸性になりません。アルカリ性のままです。

「おかさん かおある」 「青→赤酸性 赤→青アルカリ性」

何の話でしたっけ^^;?

 

ま、患者様。お話は納得いただけたようで、先ずはストレッチや体操をお伝えさせて頂きました。で、その後の様子を次回来院された時にご報告いただく、と。

 

ご来院が楽しみです。