ひねりにくい腰痛と肩・肘の痛み その2

「お前、すぐ肩痛い言うなぁ。根性入ってないんじゃないか?」みたいな事を言う指導者がいたら教えて下さい。ぶん殴っちゃりますから。

前回はお尻や背中の筋肉と肩肘のお話でしたが、今回は広背筋(これも俗にいうアウターマッスルです)と肩肘のお話です。

どんなに先輩でも広背筋

なんてことは置いといて(^^;

広背筋は背中の筋肉のうち、最も大きな筋肉です。最も大きな、というのを言い換えれば、最も強い力を発揮すると言ってもいいでしょう。水泳選手を思い出してみてください。

この筋肉がめちゃめちゃ発達してますよね。より早く泳ぐために水をかく時に頑張る筋肉です。動きで言うと、振り上げた腕を下に後ろに引っ張る筋肉です。

身体の後ろ側に大きく張り付いているこの筋肉が固くなると、身体をひねりにくくなることはお伝えしましたが、この筋肉が固いということは・・・

そうです。腕を下に後ろに引っ張る筋肉ですから、固くなると腕を振り上げるのを邪魔してしまいます

そうなると、投げれば投げるだけ肩に負担がかかります。水をかく動作の真逆でしょ。

肩が痛けりゃ休めばいい・・・?

じゃ、例えば彼が投げるのを休めたとしましょ。休めば痛みは引きます・・・が、

「あぁ、良かった」、てことで練習再開しても、広背筋が固いままだと同じく肩を痛めてしまいます。必ず、です。

痛みが引いたというのは炎症が収まったという意味であって、炎症を起こす原因がなくなったわけではありません。

けど、もし彼がチームのエースだとしましょう。もしくは、エース目前だとすると、今度はおいそれと休めません。じゃぁ、どうなる?

そうです。広背筋が固くなっているまま投げ続けると、必ず肩を故障してしまいます。

「マズいな。なんとか痛みをゴマかして投げられないかな?」

責任感が強かったり、頑張り屋さんだったりすればすりほど必死になって考えるでしょう。

広背筋→肩→肘

「あ、肩を上げるから痛いんだから、少し下げて投げちゃお!」

てことで、肩を上げると痛みが出るからと、以前よりは肩を上げずに投げたとしましょう。

とすると、そうです。今までやってこなかった横投げに近い投げ方になってしまいますから、今度は肘に負担がかかります。

慣れない投げ方でなおかつ、今度は肘の様子がおかしくなった彼を見た、よくわかってないヤツぁ言うでしょう。

「あいつ、最近調子悪いなぁ」

それを感じた彼はどうするでしょうか?エースだったりエース目前です。頑張り屋です。そうであればあるほど、痛みを隠して投げ続け・・・

そうやって、ピッチャーどころか野球を諦めた子供たちっていたんじゃないでしょうか?

マー君や大谷君、野茂選手や大魔神になれたかも知れない子供たちが。

ひと昔前ならいざ知らず、もしかすると今も・・・

腕を上から振り下ろせ!のウソ

少し話はそれますがこんな事言う指導者、今もいるのでしょうか?

「もっと上から振り下ろせ!上から投げろ!」

これも、是非教えて下さい。その指導者は、その子のどんな投げ方を見てそう言っているのか。それによっちゃ・・・以下同文です。

試しに腕をまっすぐ上に上げてみて下さい。

首や肩が窮屈じゃありませんか?ていうか、こんな投げ方してる一流ピッチャー見た事ないでしょうに。上から投げるピッチャーといっても、大体はこんな感じです。

右投げの場合なら、上半身は少し左に傾け(というより、上半身を左に倒す勢いで右腕を引っ張るんです)ます。結果として上から振り下ろしているように見えますが、肩のラインと腕の骨がい直線くらいになるのが、最も肩に負担のない上投げなんです。

これを話はじめると、またまた長くなっちゃいますのでここまでにしますが・・・

冒頭に戻ります。

「お前、すぐ肩痛い言うなぁ。根性入ってないんじゃないか?」みたいな事を言う指導者がいたら教えて下さい。ぶん殴っちゃりますから。

 

そんな気持ちで日々、施術させていただいているつもりです。次回は腸腰筋とピッチングについてお話してみたいと思います。