勉強になりました

勉強になりました。

丁寧な説明を心がけてきたのですが

「説明が長いっ!」

と一刀両断。

(ま、それ以外にも色々あったのですが)

結論から言うと、お帰りいただきました。

お代?もちろん頂いておりません。

 

(「それ以外」、について書いてみます)

 

初めてご来院は飛び込みでした。

他のご予約の患者様がいらっしゃったので、大変心苦しかったのですが、お話だけお聞かせいただき改めてご来院を頂きました。

そして、後日。問診票のご記入が終わりお話をお聞きすると

「病院で脊柱管狭窄症と診断され、『治したければ手術です』と言われているが手術はしたくない」が、一番のお申し出でした。

確かに、主訴である左のお尻から足にかけてのシビレ(時折の痛み)や太ももの脱力感や、左脚に力が入ってなさそうな歩き方は、いわゆる「脊柱管狭窄症」のそれに見えます。

ですが、それは教科書的な「歩いていると・・・で、少し休むと改善し、そしてまた・・・」という間欠性跛行ではなく、「シビレは常にあり、歩き始めから既に左脚には体重を支える力が無い」状態。

とは言え「(脊柱管の狭窄がかなり進行しているのかな?)」と思わせるお話とお姿でした。

こういう場合、毎回しているのですが

「私はお医者様ではないので、脊柱管が狭くなっているのを広げることは出来ません。ですから、○○様のお悩みの原因の100%が『脊柱管が狭くなっている』ことであれば、残念ながらお力にはなれません。ただ、脊柱管狭窄症という診断ではないのに○○様と同じような症状の方はたくさんいらっしゃいます。で、そういう方々は当院でもしっかり改善していただいておりますから、今日は○○様の症状の原因を色々検査させてください」

とお伝えして、検査と施術に入ります。

 

私の検査結果は、

「(脊柱管狭窄はあったとしても、それ以外で症状が起きている可能性はあるぞ)」でした。(その理由は長くなるので、ここでは省かせていただきます)

「痛みやシビレ、変な感じなどの症状の原因って色々あります。もちろん『コレだから100%こうだ!』ということもあります。骨折なんかそうですよね。『折れてるから痛い!』と。ですが、多くの場合、原因はただ一つってことはないと考えています。色んな要因がからみあっている場合が多いんです。

○○様もそうではないかと思います。お悩みの原因のうち、脊柱管の狭窄以外に□□が△△になっていることも原因の可能性もあるのではないかと思うんですよね。ですから、手術を決断される前に当院で出来うることをやってみましょう」

で、少しずつ触診を加えながら施術を進めていきました。

反応がお強いのか、少しの圧でも痛そうになさってましたので、慎重に施術させていただいた分、時間はかかりました。

 

嫌な予感はあったんです。

「○○さん、これから電気での治療をしようと思うのですが、電気治療はどこかで受けられたことはありますか?」とお聞きしようとしたところ

「まだ、やんの?!」

 

実際には

「○○さん、これから電気での治療をしようと・・・」のあたりで食い気味でした。

 

「あ、これからご予定が」

「あぁ、また来れたら来るわ」

 

次回来られたらこういう事をさせてもらい、金額はこうなります的なことをお伝えすると、バタバタと院を出ていかれました。

(お伝えしてたある程度の初診の時間の目安より長引いたからかな)と少し反省しつつ、ご連絡があるのをお待ちすることにしました。

 

けど、違ったんです。

要するに○○様としては

「ごちゃごちゃ言わんとサッサと治せや」

「まだ、やんの?」に感じた【嫌な予感】の正体がこれだったんですね。

 

冒頭の画像は今回お出ししたハガキです。

当院では、2回目のご来院の際に初診を踏まえた提案書をお渡ししています。

所見とこれから行う施術、そして何より大事だと思っている日常生活での注意点を書かせていただいています。

 

さて、その後数日して、またフラッとご来院。

「次、いつ入れる?」

「あ、○○さん。お電話でけっこうですのに・・・えぇと、△曜日の□時でいかがでしょうか?」

「ん、あぁ、じゃ、その時に来るわ」

と言う感じでした。

 

そして、2回目のご来院。

施術室にご案内して、前回の検査兼施術を終えての所見をお伝えしようとしたところ

「またぁ?」と深くため息。

前回のこともあり、(また、院に入って来られてからの○○様の態度・様子もあったのですが)

「分かりました。じゃ、さっそく前回できなかった電気施術から参ります」

「・・あぁ」

「ですが、お帰りの際にはこちら(提案書)は是非お持ち帰りください。で、お時間ある時でも結構ですからご覧いただき(日常生活でも気を付けて頂きたいことなどを書いていますからご覧いただき、ご質問など、何なりとお訊ね下さい)」と言おうとした所

「えぇ、えぇ、いらんわい。読んでも理解出来んじゃろ」

「ただ、なぜこんな施術が必要かはご説明しないと」

で、冒頭の○○様の「説明が長いっ!」となりました。

自分、56歳とええ歳こいてますが、ダメですねぇ。ここでキレました。

「分かりました。じゃ、何をしても私は改善させる自信はありません。今日は終わりましょう。○○様にとっても無駄な時間になるでしょうから」

巷には様々な治療法があります。

こういう仕事をしていると、色んな情報が入ってきます。

「たった○回、○○するだけで」とか

「□□はこれをすれば治る」とか

「一日△分間、一か月で」とか

 

今回、果たしてどうすべきだったのか?

事前に「○○様、説明は不要ですか(何分以内がいいですか)?」と聞くべきだったのか。

 

申し訳ありません。

私の施術方針は、「お互い納得の上で施術を行いたいし、受けて頂きたい」です。

そして、そういった皆様にお出でいただいております。

 

黙って座ればピタリと治す先生も、この世の中にはいらっしゃることでしょう。

○○様に、そういう先生との出会いがあることをお祈りしております。